システマには試合がありません。段位もありません。
インストラクターという資格はありますが，資格があるから特別というわけでもないです。
では，システマはトレーニングを通して，何を目指しているのか。
創始者のミカエルは「いい人になりなさい。」と言います。
人生で大切なのは，いい人であるであること。ただそれだけです。
『論語』にも，このような逸話が出てきます。
子貢問曰、「有一言而可以終身行之者乎」。
子曰、「其恕乎。己所不欲、勿施於人」。
『論語』衛霊公 第十五 二十三
意味としては，
弟子のひとり，子貢が尋ねた。「一言で表して，生涯行うべきことはあるでしょうか。」
先生は答えた。「それは恕だな。自分が望まないことを人にすることがないように。」
「恕」は，①ゆるす。大目に見る。②思いやり。慈しみ。という意味です。
この「其恕乎。」という三文字に，人生を幸せに生きる要点があるように思います。
相手を思いやり，許す心。いい人であれ，というのは人類普遍のテーマなのでしょう。
大切なことはシンプルです。
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